渇望
– タバコ –
冬は寒い
身体を温める
雪が積もれば
足行きは重くなる
重くなった足
凍りついた髪
風が吹けば
肌は切れるように
痛む
一部だけ暖かい
繋いだ手の内側
鼻まで巻いた
マフラー
靴下は2枚重ね
それでも足先は
冷たい
2時間歩いた
寒いこと
忘れていた
君との時間
学校から帰る
君の家は遠い
僕の家は徒歩5分
君の家は徒歩2時間
家まで送る
君が凍えないように
独りの帰り道
走って帰ったり
凍えないように
明日は大雪の予報
朝から雪かきだ
汗をかく
冬の朝空
白い息を吐く
冬が好き
雪が好き
透明な空気
吸い込んで
喉が寒い
冬は上手く息ができない
代わりに鼻炎が治る
鼻水も凍る
小さい頃の記憶
霜焼けした足の親指
ストーブで温める
冬は水が暖かい
空気の方が冷たいから
それでも冬が好き
夏もいいけど
冬のハグが好き
いつもより暖かいから
鼻まで巻いた
マフラー
少し降ろして
冬だけのキス
照れていること
気づかれないね
冬は寒くて
頬は赤いまま
繋いだ手も
凍ってしまって
くっついたらいいのに
そんなこと少しだけ
考えたりしてた
寒いねって言葉より
暖かい言葉を知らない
凍えないように
おしゃべりして
春が来るのを待ってる
だけどまだ冬のまま
冬のままが良いな
冬の星は鮮明に
空を埋め尽くす
冷たい空気が
喉に流れ込む
ゆっくり呼吸して
君との時間を
満喫させて
冬の空に向かって
吐いた息は
タバコみたいに
白く広がって
独りの世界を
包み込んだ
今日の話はこれでおしまい
北海道の冬は本当に厳しい世界です。
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