気づけないこと
– 知らないこと –
18歳〜23歳の間に
この世界が存在すること
それに気づいた
孤独だった
独りだと思っていた
表現という
曖昧な言葉
その意味を知った
何年か前の自分
どうしようもなく
溢れてくる意識
それは誰も
認めてくれない
そう思っていた
世界が絶望に
包まれていた
音楽との出会い
ダンスとの出会い
労働との出会い
その三つが
俺の世界を変えた
称賛は得られない
そのことは知っていた
称賛を得る方法
それだけがわからなかった
称賛を得たい訳
それすら考えなかった
孤独な世界
出会いが人を変える
それは真実だった
音を盗れ
喝采を浴びろ
それは間違いだった
音を愛することで
自然に喝采が生まれる
それが真実だった
命令されるのが
大嫌いだった
他人の世界を
憎んでいた
孤独ゆえに
グルーヴという
簡単な単語
その深さは
まるで夜のように
目を凝らして
息を呑んでも
知ることはできない
音楽を作るのは
生物ではあるが、
音楽に支配される
それもまた、
生物であった。
耳で聞くのか
身体で感じるのか
不明なことは多い
それでも俺は
あの日の動きに
全てを支配された
自由に踊ること
それは難しいこと
自由に踊ること
それは楽しいこと
この異常なまでの
両極端な現実に
全てを知った。
極めること
生きること
その両立は
とても難しい
こなすこと
生きること
その両立が
社会を作る
極めること
熱を込めること
その両立が
世界を支えている
今日はもう
手に力が入らない
そこまでしても
明日は石を削る
そんな風に
刃物が生まれた
「偶然の産物」
だったのかもしれない
初めの刃物
割れた石
それを作り出すため
極め続けた意思
今もまだ
ヒトの中にある
極めることを
渇望する意思
この反比例な社会で
比例的に増えるモノ
なぜ増えるのか
明日の俺も
考えているだろう
今日の話はこれでおしまい
忙しない社会を生きる者として